2008年7月 4日 (金) 

めがね(監督:荻上直子)

[ みる]

みちゃったよ。めがね。

映画「めがね」公式サイト

バーバー吉野」も「かもめ食堂」も割とすきだったので、DVD借りてみた。でも今週は仕事がやや忙しく観る時間なかったため、例によってまた未鑑賞のまま返却するつもりだったのだが、先にみていた奥さんが「イヤこれは絶対みろ!」と言われたのもあり観てみた。いやあ凄かった。これ凄いわ。

全日本1000万人のオリーブ少女は泣くだろう一大ロハス絵巻!!だった。

かんたんに言えば、都会に疲れた小林聡美が、訪れたスロウライフな島の生活と人々に、最初は嫌悪感をしめすものの、どんどんそのロハスサークルに取り込まれていく話。

なんなんだこのカラッポさは。なにもない。キャスト、ロケーションが素敵でも、脚本と演出ひとつでここまで行ってしまう物なのか。かもめ食堂もロハスぷりは目をみはるものがあったが、原作が他の人というのもあり、なんとなくテーマ的なものも見え隠れはしたものの、今回は監督本人の原作ということでびっくりするくらいロハスだった。

誤解がないようにというか、誤解もなにもないんだけど、ロハスは嫌いじゃない。ていうかむしろ好きだろう。どれくらい好きか、どれくらいオレはロハスかと聞かれたら、

「そんなことは胸をはって答えないのがむしろロハスなんじゃないの?」

って相手に聞き返してしまうくらいにオレはロハスだと思う。雑誌で言えば「AERA」と「クウネル」だったら、クウネルを読む。「UOMO」と「クウネル」でもクウネルだろう。まあ「TRANGIT 」と「クウネル」だったらTRANGITですが。

ていうかね。この映画は近親憎悪だとすら思う。いやそんなことわざわざ言わなくてもいいじゃない。ということだらけなのだ。そんなことを映画で言ってしまったら、みんな恥ずかしくってそんなこと言えなくなるじゃないか。この後地球はどうなるの?
で、この映画で何個ひっかかるポイントがあったかによって、その人のロハス度がわかっちゃうのかもしれない。ちなみにオレはこんだけひっかかりました。

・宿 ハマダの内装
・素敵なキッチン
・ここにいる才能
・メルシィ体操
・黄昏れるとは?
・かき氷は物々交換で手に入れる
・オセロが木でできている
・とてもゆっくり三輪車での登場
・都会から持ってきた鞄を捨てる
・マリンパレスの扱い
・携帯電話が通じなさそうな場所に行きたかった
・加瀬亮のやたら自然体な役柄
・「ひねもすって知ってる?」て言う
・黄昏れるコツの説明をする
・やたらレトロまかき氷機
・マンドリン
・不安になってきたくらいのところで右に曲がる。

中でも違和感を感じたのは、薬師丸ひろ子率いるマリンパレスの扱い。自分たちで共同生活を営み、自分たちで耕した田畑でとれる食べ物で生活するマリンパレス。そしてその中心にいる薬師丸ひろ子をまるで新興宗教だか何かのように描いている。自分たちの描いている「黄昏れること」がそれと全く同じ、もしくはそれよりよっぽどタチが悪いことに気が付いていない。

ということを最終的には伝えたい映画なんじゃないの?とすら思う。

それにしても市川実日子はいいわ。とてもいい。


投稿者 takeyama : 2008年7月 4日 22:19