先週土曜午後新宿へ。こやまさんに誘ってもらい「パンドラの匣」初日へ。富永昌敬監督はじめ、染谷将太、川上未映子、仲里依紗、窪塚洋介、ふかわりょう、洞口依子という豪華な舞台挨拶付き。てっきり試写かと思ってたので、生・洞口依子がみられた時の興奮ったらない。ソリトン出てた時と何ら変わらないというか、年齢を重ねてもう艶やかというしかないオーラで包まれている。着物をまとう洞口依子、無茶綺麗。
それはそうと本編。面白かった!モラトリアムと不可思議な艶めかしさが良い塩梅にミックスされた青春映画、といっていいかどうかわかんないけど、青春映画。まず一番印象深かったのは、主役の染谷将太の素晴らしさ。上映前の舞台挨拶では特に何とも思わなかったというか、やっぱり卍丸ことクボヅカ先生の印象が強すぎたのもある。上映がはじまると一気に惹かれた。撮影当時16歳という彼の映像映えは半端ない。声もいい。後は脇を固める俳優陣もすばらしい。なかでも越後役の小田豊と、竹さん役の川上未映子が最高だった。川上未映子といいKIKIといい洞口依子といい、完全に徳永監督の好みなのか何なのか、爬虫類系の女優陣がたまらない人には本当にたまらないだろう。かくいう僕もその一人。
全体から受ける印象は、相変わらずの富永節というか富永マジック。富永監督の画が、菊池成孔の音楽と混じり合ったときの独特のサイケデリアは代替不可な高揚感をもたらしてくれる。今回の作品は、太宰治原作の物語なので富永監督のオリジナルストーリーではない。だけど「亀虫」(からしか観ていないので)から続く独特の富永節が今作でも健在だなあというような箇所がところどころにあるのだが、後から聞くところによるとそれは原作の台詞回しそのまんまとのこと。奇妙なシンクロ。あとは美術から衣装からいちいち洒落ている。そのあたりがもう本当に嫌味じゃなくセンスがいいというか。うっとりしちゃう。僕の中では富永作品は、ウェス・アンダーソンが撮るような作品から感じる感覚にかなり近い。
ちなみにこちらのPVも富永監督作品。
歌:やくしまるえつこ(相対性理論)、作曲:近田春夫。
誘ってくれてありがとうございます!
投稿者 takeyama : 2009年10月13日 02:14