●撮ってみたい写真があったので、ドライブ、と銘打ってSに車を運転してもらう。高速にのる。折角なのでということで伊豆は伊東へ。Sが行きたいというシャボテン公園に行く。東京を出たのが2時過ぎだったので、着いた頃にはもう閉園5分前だった。
「サボテンがどうしても買いたいんです。」
というとタダで入れてくれた。シャボテン公園という割りには、動物から植物まで幅広い。そしてやたら広い。シャボテン公園をなめていた。そして園内には発情期を迎えた孔雀が所狭しと動き回っている。ちょっと怖い。園内にある温室サボテン売り場でサボテン2つ購入。のうちの1つは花麒麟。手塚治虫のSF漫画に出てきそうな奇妙な形がとても可愛い。
●従業員の人たちがチンパンジーをおんぶしながら和気藹々と閉園後の掃除をしていた。とても楽しそう。80年代のムツゴロウ王国民のように彼らは輝いていた。結局、シャボテン公園には15分足らずしかいなかったけど、ここは一日楽しめることがわかった。また今度来よう。帰りは下道で帰ったらなんだかんだで4時間くらいかかった。
●4月末に種を植えたひまわりが、全然芽をだしてくれない。
今年はひまわり日誌できないのか。サボテン日誌にしようか。そんなミニマルな日誌いやだ。
●三宿へ。スタジオでスチル撮影。ていうかスタジオ撮影なんてしたことない。もう何も分かっていないだけで申し訳ないのに、スタジオさんが2人もついてくれた。指示を待っている。なんて指示していいかも分からない。とりあえず謝っておいた。
モデルさんにはなんて声かけていいかもわからない。ここで
「その顔いいよー。いただきますっ!」
とか言えるようなカメラマンは格好いいなあ。
そんな勘違いまでしてしまうほどびびっていた。
●何とかなっていたかも分からないが、とりあえず撮影終わり。
ああ。このフィルムが真っ黒じゃなかったらいいなあ。と、切に願う。
●夜、高円寺へ。Kちゃんと赤天へ。餃子を食べる。すげえ美味い。さすがジョン・ゾーンから吉田達也までが常連っていうだけある。マスターがお話上手で本当に面白い。2人前14個からの注文なのだけど、気が付いたら4人前28個をあっというまに平らげていた。あと1人前はいける。ごちそうさまでした。
FCPの使い方を教えてくれ、というHに会う。おひさしぶり。元スタジオマンのHに今日の事を話すと、いかに俺がまずいことになっていたかが分かった。まずいね。まずいよ。恥は若いうちにかいておいた方がいい。よかったー。
●夜、お洒落な代官山へ。来たの5年ぶりくらいかもしれん。Aが迎えに来るのを駅で待っているのだけど、周りを歩く人がみんなオシャレでどうにも落ち着かん。そしてなぜAがこんな町に通っているのかが不思議でしょうがない。チノパンにやぶれたネルシャツで迎えにきたAに違和感を。代官山のはずなのにこの人の周りにだけは、小平の空気が立ちこめている。落ち着くわあ。
●最近Aが所属したという事務所で打ち合わせ。Fさんはじめまして。びっくりするくらい本当に半人前ですが、頑張ります。
●帰宅。就寝。
●昼、仕事。全然おわらねえ。
●夕方、鷹の台へ。数年ぶりに大学へ行く。用事があって大学に勤めているSちゃんを訪ねる。
前日Oに会ったときに、「明日大学に行くこと」を伝えると、センチになりたい年頃のOは一緒に来た。鷹の台駅から上水沿いを通って学校まで歩く。
多分まだ2年ぶりくらいなのだけど、なんだか本当に久しぶりに感じる。センチだわ。センチ。こういうのセンチなんでしょうきっと。あがるわあ。
大学到着。とりあえず大学で働いているKに電話するも、「いやちょっと無理だわ。」と軽くいなされる。残念だわ。そして1号館の前には恐ろしく長い行列が出来ている。看板をみると久里洋二の作品上映会があり久里洋二本人もレクチャーに来るらしい。作品はDVDになっているものばかりだと思うので、こんなにみんなが並んでいるのは生・久里洋二が観たいからか。そんな観たいか生・洋二。まあ確かにあのソバージュ・ヘアはちょっと気になる。イメージライブラリー主宰のイベントだった。イメージライブラリー!もうそういう響きが新鮮です。あがるわあ。
研究室へ。Sちゃんは全然変わっていない。そこにバッタリU君も現れる。おひさしぶりですどうも。用事をすませてSちゃんの最近ワークを見せてもらう。大学でノホホンとしているかと思いきや、いろんな仕事が形になっていてびっくり。Sちゃんは偉いなあ。俺もがんばろう。もうアゲアゲ。
●吉祥寺で「タカダワタル的」観てから帰宅。
●で、全然終わっていない仕事の続き。とりあえず何とか一段落。
さもなきゃ今日の日記の内容は変わっているだろう。映画行ったなんて書けない。いや仕事先の人たちがこの日記を読んでいるかどうかも知らないのだけど、念には念を入れなくては。ぬかりなし。
●昼前、新宿へ。Dさんと打ち合わせ。
●その後、東急池上線旗の台へ。
Mの家にマッキントッシュセットアッパーとして乗り込む。数ヶ月前に一度光ケーブル開通予定日にも来たのだけど、その時はマンションの構造上の不具合のせいでケーブルが取り込めなかった。今回は外からではなく電話線口を利用して光ケーブルを取り込むらしい。
工事の人が来てから開通作業に2時間ほど要していた。
その間、先ほどタワーレコードで買ってきた限定500枚の追悼盤「タカダワタル的」をMにきかせる。「石入りケース」ときいていたので俺はてっきりでっかい石でも麻ひもでくくりつけられているCDboxを期待していたのだけど、実際のところは、小石が2つ透明ケースの裏側に転がっている感じだった。思ったよりも軽かった。そしてMは高田渡が死んだことを知らなかった。高校の時、Mの誕生日プレゼントに、アイスクリームの歌詞を友達3人で書きなぐった、畳一畳ほどのベニヤ板をプレゼントしてことがある。はっきりいって嫌がらせだよそれ。
渡さんが死んでしまったことを伝えると、
「ああ。あのアイスクリームの人。」
という返事。自衛隊でも自転車でもなく高田渡はアイスクリームの人でもあった。
そんなこんなで軽く2枚組を俺が歌い終えたところで工事終了。その後、ちゃちゃちゃとインターネットその他のセットアップおわらせる。それはいいのだけど、PCを初めて購入したMに使い方を1から説明するのはかなりの重労働だった。Mの質問が嫌だ。
「インストールって何?」
「ドラッグドロップって何?」
「パソコンでメールって何文字まで送れるの?」
しまいには、
「なんで英語ばかり使うの?嫌がらせ?」
とまで言われる。
いやそんなん言われてもこればっかりはしょうがないんです。
元々英語なのです。インストールは上戸彩の映画だし、ドラッグドロップはジャンボ鶴田だし、パソコンならメールは一度に1000文字までは送れるのです。頼むからそれくらい分かってくれ。
●帰宅。仕事する。すごくまずーい感じになっている。
夜、Oが来る。氷結を買ってきて飲み始めたOは仕事がないないとやけにうるさい。日記だけではなくどうやら本当にないらしい。
Kも来て、なぜかまた「アイデン&ティティ」鑑賞会となってしまう。
いやだから仕事なんだってば俺。
●昼過ぎ、自転車に乗って西荻からSが来た。
永福町まで20分で来た、と豪語するS。そんなわけがない。俺が前に西荻のK邸に行ったときは、一時間近くかかった。「じゃあ今から40分で行って帰って来て。」と言ってももちろんやってはくれない。そんなん言われても俺だってやらない。
SのiBookの調子が悪いらしい。この間K邸でも直していたと思うのだけど、やっぱりダメらしい。ハードディスクをフォーマットしてOS入れ直してもやっぱりダメ。これはもうダメだ。ハード的な問題ぽい。ハード的な問題になると途端、もう周りの人間、誰の手にも負えなくなる。
かなり人ごとだが、そういうハード的な問題に出会うと、何となくほっとする。
●夜、宮古。飯食って飲む。グビグビ飲んでいたらまた酔っぱらう。家にもどってまたウトウトし始めてしまったところに、調布にいて帰るのが面倒になったというA来る。折角なのでAと一緒に「アイデン&ティティ」を観る。何回目だろう。さすがにもう泣かない。
「アイデン&ティティ」のDVDボックスを買い、それについていたSpeedway Tシャツをも何の恥ずかしげもなく着こなすAが言う。
「ちょっとセリフとか前倒しで言っちゃうかもしれないけど。」
それは嫌だ。そんな奴と映画は観たくない。
「言ってもいいけど、セリフ言った後、俺の方みないでね。」
と言っておいた。
Aはセリフは言わなかったが、DVD特典についていたインタビューからゲットしたという情報を逐一教えてくれる。面白かった。で、これまでは気が付かなかったのだけど、
・いくら美大だからってベンチに座って美術手帖を読んでいる学生はいない
・卒業してから状況は変われど、いくらなんでも「やっぱ女くどくにはベスト盤だろ?」という奴もいない
と思う。
●最近なんか面白い本あった?と聞かれたので、「博士の愛した数式」が面白かったよ、とAに言う。
本屋で「第一回本屋さん大賞受賞」という帯にひかれて買った。
本屋さん大賞は、きっといい賞だと思う。
で、実際面白かった。「妊娠カレンダー」も面白かった。
もっと読んでみたい。
●Kちゃんと西荻からそのまま東中野へ。Kちゃんお勧めの映画を観る。
●浜松町へ。Nと待ち合わせ。1時間遅れてきたくせに、南口っていっているのに北口に出たあげく、「なんで今この目の前にあるでかいビルがわからないの?」と逆ギレしているN。なんて理不尽なんだろうこの人は、ともう感心する。
浜松町メルパルクホールへ。Mの通っているダンススタジオの発表会に行く。去年も来たと思っていたら、それはもう一昨年のことだった。びっくりだわ。この前観た時よりも映像が凝っていた気がする。なんにしても2階席からじゃ舞台が遠すぎて誰がMなんだか全然わからない。それもこれも全て遅刻してきたNのせいだ。俺がメガネを忘れてきたからじゃない。それにしてもみんな凄くよく動く。クラブやレイヴなんかでみかける「いかに動かずグルーヴするか」といった種類の踊りとは対局だ。2年前もそう思ったが、武富士だ。Mももう26なのだから、きっとダンススタジオでは御局の域にだろうな。練習後は、カバンにエレキバンとか貼られたり、アクエリアスの代わりに緑茶をもらったりしていじめられてるだろうな。ガンバレM!
疲れたらいつでも「いかに動かずグルーヴするか」の方に来たらいいじゃないと思う。
●帰宅。疲れたので寝る。
●ピクニックをやると聞いていて、俺はもうてっきりピクニックをやるものだとばかり思っていて楽しみにしていたら、天気予報で土曜は雨なのでピクニック昼の部は中止にして、ピクニック夜の部@西荻だけを行うということになったらしい。
そして土曜になってみれば昼から快晴だ。
一人一品持ち寄りだと聞いていたので昼から有本葉子の本片手にベトナム料理にはまるで見えないトマトの肉詰めをこしらえて、いさんで西荻に行くと駅を出たところでばったり会ったKは「家にあった」というオカキを持参していた。おいおい話が違うじゃねえか。そんなんだったら俺だって岐阜からお土産として持ってきていた味噌松風(凄くうまい)を持ってくるだけで済んだのかもしらん。
●酒を飲むとまた最初に寝てしまう。起きると人の数が半分くらいになっている。
●朝までダラダラしてからちゃんと寝る。
●このNY恋物語日記に登場する奴らを知っている。
アートエキシビジョンはWrnで。
人生を熱く語るのはオカルトで。
髪がボサボサなのはオザケンだわこれ。
もう1つ付け足すと、ピアニストはきっとMさんの彼女だわこれ。
知ってるって!わかってるって!
何人あたってるんだろうか。
まあオザケンは間違いないのだけど。
Yは元バンドメンバーなのに、なんで声かけないのか不思議でしょうがない。
コメント、トラックバックをオフにしてるってのがもどかしい。
ホスピタルって名前なのに。
●そんな訳で東京に帰ってきた。
帰り際、俺が庭を開墾していることを知った幸子が、是非にと持たせてくれたのはプチトマトの苗。それも既になかなかの大きさに育っている。帰りの道中、プチトマトの苗が中央線に潰されるんじゃないかと気が気じゃなかった。
それにしたって幸子はおかしい。
もうこんな話何度してるか分からないが、かつてこんな事もあった。
冬の寒さが厳しくなってきた頃、「寒いでしょう」といって幸子が送ってきたのは使い古しのパンストだった。パンティストッキングだった。その時同じダンボールにカップリングされていた物は、豆まき用の大豆と、封が開いたきな粉だ。パンストと大豆ときな粉。そんなトリオ誰も知らない。それを俺にどうしろと。怒りで身体が熱くなった。
もちろんその冬はそのパンストをアウターとして履きこなしつつ、怒りと共に力一杯豆をまいた。あれは最高の節分だった。あんなこと後にも先にももうないことを祈ってやまない。もちろんその冬はそのパンストをアウターとして履きこなしつつ、もらったきな粉で安倍川餅を腹一杯作った食べた。あれは最高の安倍川餅だった。
●帰ってきて作業机に座った途端、モニタに貼られたポストイットが視界にはいる。
悪魔のToDoリスト。すっかり忘れてた。
やらないけないことが何だかいろいろある。
●東京さむいなあ。Tiger入れたいなあ。ガスヒーター片づけるんじゃなかった。
●昼、畑の草むしりやら昼寝やら。
一応、朝晩くらいはメールチェックもするしインターネットも見るのだけど、東京の外にいるとパソコンには向かいたくなくなる。送られてきている仕事にも早々着手する気になれず。折角早めに送って頂いたのにスミマセン。。もうグータラすぎだわゴールデンウィーク。そういえば体重も増えていたし。京都のU家には体脂肪から身体年齢まで測れるというハイテクな体重計があったので、測ってみた。前に測ったのがいつだったかも忘れたが、体重が2kgほど増えていた。それは全然問題じゃない。問題なのは体脂肪だった。体脂肪が17%あたりで、それはもうギリギリ標準のラインだった。あと一歩で「やや太っている」になってしまうところまで来ていた。運動不足な自覚はあったが、体脂肪がそんなところまで来ているとは自分ですら全然分かっていなかった。そんなわけでこれからは走ることにする。手始めに、ウォームアップとして岐阜から東京まで走って帰ろうと思ったのだけど、残念ながら指定席の手配をこれからするところだった。惜しい。あと少しだけ時間が早かったら。きっとこういうのを惜敗と言うんだろう。
●夜、京都から戻ってきているKさんとお茶する。Kさんも一年ぶりに会うのだけど、そのわりにはあまり久しぶりという気がしない。それはきっとKさんが最近始めたブログを読んでいるからだと気が付いた。あ。そういうことか。
Kさんはこの間までアメリカ東海岸の旅に行っていた模様。Hにも会ったらしいので、その話を聞く。NYではHと半日くらいだけ遊んだらしい。俺は行けなかったショウロンポウの美味い店に行ったとのこと。いいな。Hの近況には興味はないのだけど、ただ今やリアルアメリカンと化したH。帰国したらそのまま全日入りだろうか。
●そのまま中学の友達Uがやっている飲み屋へ。
CKMと飲む。といっても車で来ているので、一滴もお酒は飲まない。これは岐阜に限らず田舎全てに言えると思うのだが、車でしか来られない場所にあるような飲み屋って根本的に間違っている。
その「間違っている」とは関係なく、中学卒業してからかれこれ10年近く料理を作りつづけているUは本当に偉い、と思うのです。と思えば、Cもまた10月に結婚するっていうし、Nの子供の写真を見せられれば確実に成長しているし。
じゃあもう結婚していないのなんて、Kと俺だけじゃないと思わせておいて、Kは既にバツイチだった。会わせてもらえない子供もいるしねえ、とかそういうこと言って自分でそれを笑い飛ばすKはもう本当に演歌がよく似合う。演歌がたくましいという言い方が適当なのかどうかは疑問。そんなこといったらきっともっとたくましいのは、別れた奥さんであるMさんだろう。そして後から飲み屋に来たYちゃんという女の子は、そのKの息子が今通っている保育園で保母さんをしているという。
「本当にあの子はワンパクだよ!手が付けられない。でも凄く歌がうまい!」
というYちゃんからの、何の脈絡もない自分の息子情報に一喜一憂するKを見ると、こちらまで嬉しくなる。照れながら「いやアイツ、俺と一緒で絶対音感だから。」と、誰も得をしなであろう嘘をいうKを見てると嬉しくなる。そしてこういうことを言い出したらもう少しで悪酔いだコイツは。気をつけねば。そんなわけで、マイ・サンの様子を友達の保母さんを通して知るという状況にあるK。地元の連中の人間関係は新しい局面を迎えている。
にしても何だかみんなとてもちゃんとしていて、もうどうしようと思う。