●「血と骨」観る。
面白かった。ちょっと長かった。
たけしが俳優のみの映画出演十数年ぶりとかで話題だった。1920年代、子供の時に朝鮮から日本に渡ってきた金俊平という男の生涯を演じている。戦中戦後から現代までを通して、とくかくこの金俊平の生き様の話。で、この金俊平がすごい。悪党何だかどうかも分からない。とにかく暴力とセックス。実際はどうかしらないが、これじゃあ金俊平はただの狂っているおじさんだ。
思っていたよりもずっと軽い映画だった。話が軽いのじゃなくって。もっと重いトーンで描いても良かったはずなのに何でこんな中途半端な重さなのかが気になる。救いを一切いれずに金俊平を「とにかく凄い奴」として描いているのは分かるのだけど、それじゃあそれでなんで部分部分がポップな演出なのかが、意味がよく分からん。崔洋一はいつもこんな感じだったろうか。ただ戦中戦後の在日朝鮮人の世界が細かく描かれているのは良かった。これは大阪の話だけど、深川などでもこんな感じだったのだろうか。
鈴木京香にせよ、モダンチョキチョキズにせよ、脇を固めている俳優みんなよかった。
●「死霊のはらわたー20周年記念アニバーサリー」観る。
何が20周年記念アニバーサリーなのかも分からない。
気が付けば、このブログの映画カテゴリーも100を越えてる。載せるにはあまりにもオシャレ、もしくは意味不明で自分の言葉でコメントの書きようがない映画は除いているので、多分ここ一年で観た映画は130くらいか。
意外に観てない。社会人ってこういうことなのね。
さらにこの間、KMに「タケちゃんは映画何でも面白いっていうからアテにならへんわ。」と言われたので、これからは辛口でいこうと思う。
すごく面白かった。
絶対そうじゃなきゃダメっ!っていうカットの連続。この間のキャリーにひきつづき、「やっぱり女優って大変なお仕事ですね。」という感慨。グロテスクだけど可愛らしい色彩のコマ撮りアニメ。どれも最高だった。
よく分からないがとにかく祝20周年記念。
原題は「Evil Dead」。邦題つけた人、偉い。
●昼、作業。
夕方、フィルムを受け取りに新宿へ。神様どうか真っ黒だけは勘弁して下さい。と祈るように受け取ったフィルムはピンも絞りも大丈夫だった。問題は視差だけだった、ってそれってかなり大事だ。やってしまった。
視差=ファインダーに見える範囲と写る範囲のズレ=パララックス。
ここでオシャレに、問題はパララックスだけだったよ、といってみたものの何の解決にもなっていない。慣れないカメラ使うとこういう事になってしまう。
もっと慣れよう。
●夜、Aが来る。すいませんでしたー、とフィルムと請求書渡す。もしも次があるのなら、もっともっと頑張ります私。
●Aが持ってきたラーメンズのDVD観る。
ラーメンズのコントをまとめてちゃんと観たの初めてかも。
面白いねえ。凄く面白い。
9割9分頭を使って面白いのだけど、たま〜にひょうきん族的な無茶なインサート的な笑いが入ってきて、それが異常にツボに来る。
それってラーメンズの楽しみ方として全然間違っていない。
それにしてもグッドデザインカンパニーやらティービーグラフィックスに脇を固められているラーメンズってイケメンだわ。
●深夜、作業続き。今週もまたまずい。
貧乏暇無しのくせに映画ばっか観てる。映画は楽しいなあ。
●「フリック」観る。
開催中のカンヌ・コンペ部門に最新作「バッシング」が出品され話題の小林政広監督の前作。この監督の存在を知ったきっかけは、カンヌ出品が先か、高田渡が死んでしまったのが先だったのかは覚えていない。というのは、この小林監督は元々フォークシンガーでそれこそ吉祥寺界隈に居た人らしく、この「フリック」には特別出演として高田渡が出演している。映画のエンディングとして「ブラザー軒」が使われている。という情報をジャニスのWさんから聞いた気がする。
で、内容。
香川照之が異常によかった。久しぶりに香川照之を観た気がするのだけど、最初の登場シーンで「あれ?こんな人だったっけ?」と驚くくらい何だか雰囲気がある俳優になっていた。話の筋はあってないようなもので正直よく分からん。どこまでが妄想でどこまでが真実なのかが全く分からなくなるグルグルしたストーリー。表面的な筋だけを追えばただの夢落ち妄想系で括られてしまうかもしれない。
個人的に高田渡が旅館の主人役で出演していたり、エンドクレジットで本人が「ブラザー軒」を歌っているのは凄く嬉しかった。ただこの映画で高田渡や佐久間順平の音楽があっているかっていわれたらそれはちょっと。
●夜、Yちゃん来てプチ打ち合わせ。YYKと「キャリー」観る。何故かこのメンバーだと怖い映画鑑賞会ということになる。大勢で観るのは、やはりホラー映画じゃないと。友達と一緒に芸術映画を観たってどうしようという感じだわ。
で、キャリー。面白かった。最後の15分まで、これ本当に怖いのか?という感じだった。それまでは、80'sアメリカンな登場人物だったり、スモッグがかかった画だったり、意図的な編集がやたら面白い。みんなこういうのが大好きだわ。
だけど最後の20分。もう怖くてしょうがなかった。話が怖い、とかではない。キャリーが怖い。見た目が怖い。とにかく怖い。怖い怖い。そこからエンディングまでもう全てが最高だった。よかったよかった。
OAと一緒にバウスシアターで上映している「タカダワタル的」を観に行く。
60年代の中津川フォークジャンボリーか何処かの映像で、とにかく若い高田渡の「ごあいさつ」から始まり、ライブの様子と吉祥寺での日常風景をてんぽ良く織り交ぜたドキュメンタリーは、最近のスズナリでのライブのアンコール曲「ごあいさつ」で終わる。もう何も言うことはありません。ありがとうございました。
去年、テアトル新宿で上映していたときにみにいけなかったのは残念だけど、バウスシアターのPAで観ることができてよかった。音が良かった。ドルビーだとか何だかそういうハイテクぽい音の良さではなく、もちろんこの映画の内容ありきでだが、会場がもうまるでライブハウスのようになっていた。実際、一曲終わるごとに拍手をするお客さんもいた。いいよ。もうその気持ち凄くよく分かる。会場みんなその気持ち分かってはず。そしてエンドロールでは自然発生的に拍手で会場が包まれた。その拍手に紛れて缶ビールをあける音も聞こえる。もう本当に今夜観に来て良かったよ。
「よかったねえ。」と言い合いながらサンロードを歩く。Aが来るのはもう義務なのだけど、それにしてもOが来たのは意外だった。高田渡にそれほど興味があった訳じゃないOが、
「これは映画として、観れて良かった。」
て、言ってたよ。そんなOは、今日Sちゃんに「どエモ」の烙印を押されていた。どエムってなら別に何とも思わないが、どエモ。ちょっと羨ましかった。
●「ロボコン」観る。
「灼熱のドッジボール」「この窓は君のもの」の古厩智之監督。
でも「この窓は君のもの」しか観たことがないと思って検索してみると、青山信治の「Helpless」で助監督をしていたことをしる。そんなこと全然知らなかった。この映画もつい最近まで知らなかったのだけど、Oがスゲエいいと言っていたので、借りてみた。大抵の場合、趣味嗜好は全くあわないOなのだけど、青春映画と女性ボーカルだけは話があう。
なんて嫌な関係だろうか。
で、やっぱり面白かった。
最近の学園青春物では「スウィングガールズ」より面白かった。ロボコンみにいきたくなった。
チビノリダーを始めとした主演の4人がまずよかった。長澤まさみは「セカチュー(世界の中心で愛を叫ぶ)」の時は何とも思わなかったのだけど、この時はよっぽどいい。で、荒川良々は、既にずるいの域を超えていて、美しささえ漂っている。この前のヤジキタの時よりもこの映画での方が全然フューチャーされている気がする。
●「ゴーグル」観る。
テーマも話の内容も全く知らないまま劇場へ。ドメスティックバイオレンスをテーマにした映画だった。面白くなかった。トイレのシーンの音声だったり、ラストのトラックだったりとあれれ?と意図的にやっているとしか思えない奇妙な場面が多い。そういった気になる箇所が多い。でもその場合、なんでそれを意図的にする必要があるのかよく分からん。利重剛がよかった。
●今日もまたリバーサイドモールへ。今日は「真夜中の弥次さん喜多さん」を観る。
面白かった。そしてとにかく出演者(名前を知っている有名人)の数が異常に多い。
その中で、古田新だけが異常に面白かった。あれは異常だった。あの古田新を観るためだけに劇場に行ってもいい気がする。
もちろん大人計画はオールスターだし、それ以外も楳図かずおだったり竹内力だったりと、次々と素敵な面々が出てくるので、それだけで大抵お腹いっぱいだわ。話題の「タイガー&ドラゴン」も観ていないのに何ですが、この映画が5週くらいに分けてTVのスペシャル番組なんかでやっていたらもうそれは面白いだろうと思うのです。劇場じゃなくてもいい。
あと麻生久美子はもちろん嬉しい。
作品名:真夜中の弥次さん喜多さん
カテゴリ:任侠/時代劇
公式サイト:http://yajikita.com/
製作年:2005
製作国:日本
配給:アスミック・エース エンタテインメント
公開日:2005-04-02
スタッフ・キャスト:
監督・脚本:宮藤官九郎
出演:長瀬智也/中村七之助/小池栄子/阿部サダヲ/柄本佑/森下愛子/岩松了/板尾創路/竹内力/山口智充/清水ゆみ/ARATA/荒川良々/中村勘九郎/生瀬勝久
作品名:コンスタンティン
カテゴリ:ホラー
公式サイト:http://constantine.warnerbros.jp/
製作年:2004
製作国:アメリカ
配給:ワーナー・ブラザース映画
公開日:2005-04-16
スタッフ・キャスト:
監督:フランシス・ローレンス
出演:キアヌ・リーブス/レイチェル・ワイズ/シア・ラブーフ/ティルダ・スウィントン/ブルイット・テイラー・ビンス/ジャイモン・フンスー/ギャビン・ロズデイル
●岐阜に帰っている。
例によってまたリバモでレイトショーの映画を観に行く。たとえそんなに観たい映画がやっていなくても1000円だったら全然観てしまう。
「コンスタンティン」観る。
とりあえずキアヌは格好良い。冒頭を見る限り、キアヌがほぼマトリクスのネオ並みの特殊能力を持っている。格好もまあネオみたいな感じで。その固まっているイメージをそのまま使って何をしてくれるのかと期待していたが、特に何もしてくれなかった。天国地獄天使悪魔の描き方だったり、喫煙禁煙だったり、恋模様だったりエンターテイメントらしくいろんな要素を詰め込んでるのはいいのだけど、なんかあまり面白くない。全ての要素の共通項を言うとすると、それはもう「茶目っ気」で片づけられる。この映画に一貫して流れる「茶目っ気だして演出してみました感」が個人的になんかダメだった。